IT企業とは肌が合わないその理由

今、電子書籍の版元となるために、国内の電子書籍店と電子書籍取次、世界のG社とA社と口座開設を進めています。日本の紙の書籍、雑誌市場は再販制度(再販売価格維持制度)があるため、定価で販売しなくてはなりません。そのため出版社と書店の間に取次(問屋)が介在し、入金管理や返本管理を行なうシステムとなっています。

一方電子書籍の場合、A社やG社が作り出すアメリカンスタンダードとなっているため、てっきり電子書籍店と版元が直接口座開設するものと思い込んでいました。何しろ物流や返本がないのですから、インフラはより単純になるからです。初めてのコンテンツがやっと形になったので、主要電子書籍店に片っ端からアプローチしてみました。ところが、直接取引はしていないので、取次を通してください、との返答がほとんど。理由をよく考えてみれば、まだまだ熟成されていない電子書籍市場で売れる本などほとんどなく、売上を振り込むのに場合によっては手数料の方が高くつくこともあります。我々のような小さな版元などに一々手間をかけて振り込みしてられないというわけです。残念ながらごもっともな話です。

逆を言えば大手電子書籍取次2社に口座開設さえすれば、主要書店で販売できるということでもあります(もちろんそれなりのマージンをガッツリ取られますがw)。それでは世界市場に目を向けると、A社とG社に直接口座開設するしかありません。A社はまだ直営の電子書籍店が日本にはなく、アプリとして売るしかないのですが、こちらはXcodeというアプリ制作ツールとマックがうまく使えず、コンテンツ登録が頓挫中(2012.8現在)。G社に至っては、印税を受け取るこちらの銀行口座の認証がうまくいかず、メールで何度もやりとりしている最中。何故ことがスムーズに進まないかと言うと、日本支社の電話は人と話ができないし、メールは担当者が存在せず、毎回違う人がサポート担当となるため、話が進まないのです。そもそも返事が来ない。いい加減頭に来てFAXというアナログ手段を取ったらやっと名前入りでメールが届きました。こちらはお金払ってデベロッパー登録しているのに、何もしてくれなきゃそれこそ詐欺みたいなものだと思わずにいられません。

日本のIT企業の雄、R社とも付き合いがありますが、何せIT企業はCSのレベルが低い(というかこちらは客と思われていなかったとしたら私の大きな勘違いということですがw)。システムを提供する代わりに、面倒なことはすべてこちらがお金を払って行なう仕組み。このシステムについてこれなきゃ「時代遅れな会社」ということになるのでしょうか。とにかく肌が合いません。脳の老化現象とITの進化と相まって、その距離は日々乖離するばかり。それでもいつか笑い返してやる….といきがらずには、会社などやってられませんw

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