職人が枯渇した失われた20年、そしてこれからも…

本業そっちのけで没頭していたゴルフビジネス。発足当初は日本の町工場の職人さんと日本ならではのハイクオリティ製品がウリのブランドを作るという目標がありました。本革をつかったクロムハーツ風パターカバーやシルバー925製のマーカーに、グリーンフォークと専用革ケースetc. どれも桁違い(?)の価格を設定。目指せ日本のエルメス、ルイヴィトンと心意気だけは高かった。そしてキャディバッグも日本製で各色30本の限定でこだわりまくった製品を開発しました。ところが時すでに遅し、職人さんたちは高齢のため引退し始めることに。もう日本でキャディバッグやヘッドカバーなど作れる状態ではなくなってきていたのです。<br />
日本の職人さんが歴史ある欧州ブランドに属する職人さんたちと決定的に違うのは、職人さんに対する待遇です。欧州では職人さんたちをとても大切にしています。彼らなくしてブランドは成り立たないことを知っているからです。対して日本の職人さんの扱いは、「海外ではこの価格で作れるのだからこのくらい安く作れないか…」というイジメにも似たプレッシャーを掛け続けてきました。その結果、後継者はいなくなり、町工場は閉鎖、という状況になってしまったわけです。夢も希望もない職業に後継者なぞできるはずもありません。そういう点からもたやすく町工場の職人再生…なんてできるはずもなかったのです。お恥ずかしい話、私自身も勉強不足でした。
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そんな状況もコンテンツ制作の世界にも起こっています。ITの発達で、システムさえ作れば、あとは不労所得のごとくネットワークがお金をかき集めてくれる…。もちろんそのシステムを作りあげるのにどれだけの労力が必要かと言われれば、大変なことと想像できます。また日々の更新やメンテナンスなどもあるわけで「不労所得なんてとんでもない」と批判されるかもしれません。でも最終的な目的はネットワークをいかに上手く活用し、効率よく掛け算の収入を作れるか、ではないでしょうか。<br />
ネットワークを使って¥を集めるためにはコンテンツが必要です。ところが、「コピペ」ということがあまりにも容易なネット社会において、手足で作るアナログコンテンツは誰もやりたがりません。わかりやすく表現すると、どんなに高性能なワードプロセッサーやデジカメがあっても、それを操作する人間の知識や感性がなければ良いものが作れないからです。その知識と感性はアナログでこそ培われるものと信じています。<br />
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そして現在、アナログ時代に叩き上げられた有能なコンテンツ製作者たちが引退しようとしています。今の時代を生きるにはあまりにも不器用な彼らは、行き場がなくなり、引退を余儀なくされているように感じます。しかし、蓄えられた彼らの知識やノウハウをこのまま枯らしてしまうにはあまりにももったいない。高齢化社会に突入した日本において、このアナログの宝をどうにか活用(なんて表現するのは失礼ですが)できないか、と再び思い始めているしだいです。
そんな意味合いから「ITは苦手だが、コンテンツは作れる」という有能な編集者やライターを引っ張り出し、電子書籍をじゃんじゃん作ろうというのがこの企画です。
http://www.amazon.co.jp/カメラマン篠田昇の残したもの-岩井俊二監督作品の撮影監督を務めた-岩井俊二監督作品の撮影監督を務めた-カメラマン篠田昇の残したもの-堀越一哉-ebook/dp/B00K7TNFUQ/ref=sr_1_1?s=books&amp;ie=UTF8&amp;qid=1399947785&amp;sr=1-1&amp;keywords=篠田昇 http://www.amazon.co.jp/目撃者と傍観者のはざまで-アフガン、北朝鮮、パレスチナ、北方領土、リビア・・・取材と言う名の冒険-後藤-和夫-ebook/dp/B00K2RUAAG/ref=sr_1_13?s=books&amp;ie=UTF8&amp;qid=1399947934&amp;sr=1-13&amp;keywords=後藤

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